スズキ・メソードのOB・OG会です。「心のふるさとキラキラ星」を共有する皆様と
 「一生楽しめるスズキ・メソード」をめざします。

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エッセイ

スズキ・メソード0~3歳児コース
第5回西宮教室ステージ体験会(2012年8月31日訪問記)

スズキ・メソードOB・OG会

副会長 紿田 俊哉

参加された親子の皆様 西宮教室の山田先生より、私の初孫の紿田花歩(2歳7ヵ月)が1歳の誕生日の直後からお世話になっている西宮教室の「ステージ体験会」への参加のお誘いをいただき、花歩の両親と家内と共に今回もお邪魔いたしました。花歩と私どもにとっては3回目の「ステージ体験会」でしたが、西宮教室の指導者の皆様が、毎回キメ細かな工夫をされ、ますます充実した「ステージ体験会」でありましたことに対して心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 「ステージ体験会」とは、0~3歳児教室の日頃の活動の一端を家族や友人に見ていただき、理解を深めてもらうことと、子どもたちが、教室とは異なる場所でも物怖じせずに自己表現を学べる機会を与えるための企画です。


回を重ねるたびにさらに充実している「ステージ体験会」

 当日のプログラムと写真などと一緒にご覧いただきたいと思いますが、今回の大きな特徴は、前半の0~3歳児のアンダンテクラス、モデラ-トクラス、アレグレットクラス、アレグロクラスの「ステージ体験会」の充実に加え、後半の、親子で楽しむコンサートもヴァイオリン科、ピアノ科、チェロ科の先生方の大きなご協力のもとで、スズキの各楽器の生演奏を、親子ともども楽しんでいただける充実したものとなったことだと思いました。

 前半の「ステージ体験会」で特に心を打たれたことを幾つかご紹介したいと思います。

ヴァイオリン科指導曲集の第2巻にある「妖精の踊り」の演奏もしました。この曲に合わせて、西宮教室独自の作詞・振り付けでお母さんたちが歌い、子どもたちが要請をイメージしながら回ったり跳ねたり。思い思いの可愛いポーズが見られました。 一つ目は、未だハイハイしかできない1歳前後の子どもたちが、音楽が流れると楽しそうに体を大きく上下・左右に揺らしたり、左右に分かれた先生の鈴の音に敏感に反応し、音の鳴る方向を探るように見つめる姿でした。反復練習で耳を育てるというスズキの基本教育の正に成果の一つですね。

 二つ目は、ステージで転んで顔を床に打ちつけた子どもさんが、泣きながら、しっかり山田京子先生に抱きつき、しばらく泣きじゃくっていたこと。子どもたちのすぐ後ろにお母様方がそれぞれ一緒におられるにもかかわらず、常日頃教室で一緒に楽しい時間を過ごしている大好きな先生に泣きやむまで抱きついている姿をみて、先生方が子どもたちにどれだけ毎回深い愛情をもって接しておられるかを垣間見る気がし、とても感動した次第です。

 三つ目は、「あなたのお名前は?」の先生の呼び掛けに、大きな声で自分の名前を言える子どもたち、絵を見せると暗唱した俳句を大きな声で言える子どもたち、さらに年長のクラスではご両親の名前や俳句も3種類も暗唱して言える子どもたちなど、毎週の教室とご家庭での反復練習の成果が目に見える形としてステージで再現されていることでした。

ステージ体験会プログラム

細やかなフォローが際立つ西宮教室の取り組み

 2011年同時期に初めて西宮教室の「ステージ体験会」に参加させていただき、このHP上で西宮教室の取り組みについてご紹介させていただきましたが、新たに、このHPをご覧いただくお孫さんをお持ちのOB・OGの方々や、新たに0〜3歳児教室に関心をお持ちの幼児をもつご両親のために、再度、取り組み内容をお伝えさせていただきます。今回もまた、ご両親のみならず、お孫さんの「ステージ体験会」を目を細めて楽しそうに見守るたくさんの祖父母の方々の姿をお見うけしました。

現役のヴァイオリン科の子どもたちが、「ブーレ」や「キラキラ星変奏曲」などを生演奏。0〜3歳児コースを卒業して、楽器に移行することで、このように立派な演奏ができることの見本として、アピールするチカラがありました。・毎回4~5名の指導者の先生方が、子どもたちのためにキメ細かなフォローをなさっておられること。

・このキメ細かいフォロ-をされるにあたり、鈴木先生が書かれた様々な書籍や鈴木先生のいろいろな場所での公演記録などを、深く・深く研究され、何を子どもたちと親御さんに伝えることが大切かを十分把握されて、それを実践されておられること。

・教室で教えておられる内容の一つであるクラス別の体操をDVDに収め、貸し出すことで、教室を離れた家庭でも何度もDVDを見ながら反復練習ができるように配慮されていること。

・教室での出来事を翌週には「キラキラ通信」という写真入りの素晴らしいカラー印刷物になさって親御さんに毎回渡されていること。すでに60号を超えておられることは、並大抵のご努力ではなく、頭が下がる思いです。

・『(花歩ちゃん)成長記録ノート』という生徒の名前を付けた成長記録ノ-トを、生徒の親御さんと指導者の先生の間で毎回やり取りをされていること。

 親御さんはこの1週間の子どもの行動についてノートを通じて先生にお伝えします。子どもの行動についての悩みや子育ての疑問、あるいは子どもの素晴らしい行動の発見などを記入してお渡しすると、それに対して先生が的確なコメントやアドバイスをその日の内に記入いただくとともに、教室に参加されている親御さん・子どもたちに共通の話題がある場合には、皆さんにその内容とそれに対する先生の考え方を披露されたりと、驚くほどキメ細かな教育をしてくださっておられます。


生涯教育としてのスズキ・メソードだからこそ、私の願い

 私は4歳5カ月より高校2年生までスズキ・メソードで直接お世話になりましたが、その後、特に音楽の専門の道に進むことなく、大学、商社マンとしての道を歩み、65歳をもって社会人を卒業して現在に至る人生を送ってまいりました。その間、67歳の今に至るまでヴァイオリンは常に私の傍らにあり、生活の一部となっております。事実、大学時代は現役のオーケストラ活動に没頭でき、社会人時代及び現在も、ワグネル・ソサエティOBオーケストラでの活動を楽しみ、また、2010年5月からは、スズキ・メソードOB・OG会のメンバーの一人として、OB・OG会の各種企画とそれへの参加する楽しみも加わり、ヴァイオリン人生がさらに拡大しております。正に「一生楽しめるスズキ・メソード」を地で行く人生だと思うと同時に、これまで私がヴァイオリンを弾き続けることができたことは、教育熱心な両親の存在、前田忠行先生、鈴木鎮一先生の深い愛情に裏打ちされた楽しいご指導、そして結婚後、私の音楽活動に対する家内の深い理解と協力の賜物だと、改めて感謝の気持ちで一杯です。

橋爪宏子先生の素敵なピアノにあわせて、「タイスの瞑想曲」を演奏させていただきました。 スズキ・メソードが今後、「生涯教育」の観点に立ち、その取り組みをさらに拡充させて行かれると伺っておりますが、その出発点である0〜3歳児教育のさらなる拡充や、大人の教室の拡充、さらにはOB・OG会活動とのCo-Workなども検討を深め、実践していくことが大切だと考えます。

 これらの検討や活動の実践に弾みをつける意味からも、来年3月の世界大会はとても重要であり、日本のみならず広く世界のスズキの参画と協力を得ながら、是非とも世界大会を成功させることが最重要であると確信しております。

 9月1日より世界大会公式HP上での参加登録受付が開始されましたが、孫の登録の際に0〜3歳児教室の具体的内容が、未だ検討過程であることを知りました。いろいろとご事情があるかと思いますが、是非できるだけ早く具体的内容の決定をされますようお願い申し上げます。及ばずながら、私も世界大会実行委員会アドバイザーの立場と、孫をもつ者の一人として、引き続き尽力してまいりたいと思います。

 最後になりましたが、今回も素晴らしいピアノ伴奏をしてくださった西宮教室の橋爪宏子先生を始め、再会が叶いました山田京子先生、富永民子先生、大路雅子先生、足立信子先生、飯尾まり先生、また、駆けつけてくださった小倉浩子常務理事、西村政子関西地区ピアノ科元委員長の皆様に厚くお礼を申し上げます。大変ありがとうございました。


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