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エッセイ

ロンドンから「ジャパン祭」の様子を伝える、小玉もなさんのレポート第5弾!

小玉もなさん 10月5日土曜日に、トラファルガー広場で「第5回2013年ジャパン祭」が行なわれました。この「ジャパン祭」は、英国に住む多くの日本人が、さらに多くの英国の人々と親しい交流と相互理解を深める目的で開催されます。日本大使館、日本クラブ、商工会議所、ジャパンソサイアティ、英国日本人会、さらにはロンドン市庁とウエストミンスター区の大きな協力を得ていますので、大変な盛り上がりとなります。→ジャパン祭公式サイト

いざ本番! 司会者に紹介されているところです。夜には、ロックスターの布袋寅泰さんの特別パフォーマンスが‼ 私たち、同じ舞台で演奏したんですよ‼ 私が所属するBSI (英国スズキ協会)は、2012年に引き続き、今年も招待されました。ソーラン節を含む8曲を75名の生徒さんたちと演奏してきました。演奏曲目は、次の通りです。
・ユーモレスク
・二人の擲弾兵
・メヌエット第2番
・アレグロ
・むすんでひらいて
・こぎつね
・ソーラン節
・キラキラ星変奏曲
の8曲を演奏しました。
 このジャパン祭には、日本人だけではなく、いろいろなな国籍・民族・年代の方々が来ます。クラシック音楽を知らなくても、どこかで聴いたことがあるかもしれない曲や、なじみのある曲を選びました。スズキ・メソードの指導曲集には、鈴木先生が丹念に集められた各国の曲が散りばめられていますから、とても喜ばれます。

事前の準備が大変だった「ソーラン節」

自分たちの出番が来るのを、おとなしく列を作って待っています。日本と同じですね。 今回はロンドンだけではなく、他の地域のお教室からも参加してもらえました。約20教室、4歳から15歳の計75名のヴァイオリニストが参加しました。これだけの広範囲のエリアからの参加でしたので、実のところ、全体リハーサルはまったくなしでの、ぶっつけ本番でした。日本でもよくあることだと思いますが、スズキならではの、得意技!かも。

本番中の75名の子どもたち。指揮をしながら一緒に弾いているのが私です。 私が1番心配したのは、「ソーラン節」でした。この曲はどの生徒さんもなぜか学ぶのに苦労したんですよ。
「音の並びも、スラーも、なんかふつうと違う! 難しい! 暗譜できない!」と、文句タラタラでした。でも実際に弾けるようになった瞬間、「この曲キレイだね、この曲大好き」などのコメントに変わったんですよ。
 実は、「ソーラン節」を今回の演奏用にアレンジしたあと、"英国の子どもたちには、なじみのない日本の曲を耳から聴き慣れてもらおう"と思い、同僚の指導者の先生方に協力をお願いして、「ソーラン節」を録音しました。

舞台の上です。係りの人が、マイクの調整などしてくれてる間に、生徒たちに魔法をかけているところ⁈ そして指導者の先生方に、「お願いですからソーラン節を必ずレッスンで弾いてください!  送った音源を聴いてください! 生徒さんにも聴くように伝えてください! 日本で育った日本人のほとんどはソーラン節を知っていますから、ちゃんと弾けないと私たちが恥をかくことになるんですよー」と、半分脅し? 半分懇願? のメールを2回ほど送りました。

 おかげさまで、「ソーラン節」は大好評で、来年からお祭の演奏には「ソーラン節」を毎回弾くことが決まりました。そのうち、生徒さんたちに「どっこいしょ、どっこいしょ」と、かけ声をかけながら演奏してもらいたいのですが、まずは「どっこいしょ」の発音練習から始まりそうです。

感想も手応え十分!

メイン舞台側からみた風景。ナショナルギャラリーです。 子どもたちの演奏後の感想は、「楽しかった‼︎ 」がダントツに多かったコメントでした。「演奏が楽しかった」というよりも、演奏前後のお祭りでの遊びや、屋台めぐりの方が印象に残ってるみたいですが…。それはともかく、いかにもスズキの子どもたちらしく、彼らにとっては「いつもの曲」を「グループで弾く」のを「お父さんお母さんが見てる」というスタンスは変わらないらしく、普通な感じでしたよ。でも、普段一緒に弾かない人たち、そして先生(私)が1番前に立ってるので、いい感じの緊張感はありました。
今まで1度も一緒に演奏したことがない「ソーラン節」もありましたし。

私たちが演奏したメイン舞台の後ろには、ネルソン記念碑が。時には、メイン舞台の前で、この様なお客様が参加できるイベントも。 英国人のご両親たちは、「こんな素晴らしいイベントに参加できて嬉しいです!」とか、「自分の子どもがトラファルガー広場で演奏するなんて!」と、子どもたちより興奮していました。

 とあるお母様は、たまたま隣に立ってた見知らぬ男性に「"次は英国スズキ協会の演奏です。75名もの子どもたちがそろって演奏します" とアナウンスを聞いた瞬間に、"うわっ、最悪だ!急いでこの場から逃げよう!"と思ったけれど、あまりにも上手だから最後まで演奏聴いちゃったよ‼︎ すごいね、この子どもたち‼︎」と興奮気味に声をかけられたそうです。さすが、スズキの子どもたち! 嬉しくなりますね。

 聴衆や主催者の反応もとてもよかったです‼︎ プログラムが進むに連れて、私たちの演奏を聴くために、たくさん人たちがメインステージの周りに集まってきたんですよ。1曲弾くたびにお辞儀をしたのですが、会場を見回すと、そのたびに人だかりが大きくなっていくのがわかりました。

参加記念のおみやげとして、1人1枚ずついただきました! これ、売り物ではなかった(はず)ので、レアものです。 演奏が無事に終わり、バックステージで後片付けをしている時に、主催者の方から「来年もどうぞよろしくお願いします!」という、嬉しいお言葉をいただきました‼︎

 演奏が終わり、ヴァイオリンを背中に背負って、お祭を見て歩いてた時に「あなた、出演者?」と何度となく声をかけられ、「はい。75名の生徒たちと一緒にさっき演奏しました」と言うと「あー、あれ見たよ!すごかったねー。素晴らしかったよっ!」と言ってもらいました。手応え十分、来年もがんばろうと思いました。

 以上、日本色に染まったトラファルガー広場からのレポートでした。



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